冬ボーナス平均58万9千円 千葉県内予想 4年ぶり増、賃上げ機運や5類効果 改善兆しは一部にとどまる

※写真はイメージ
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 今冬のボーナスの千葉県内平均予想額が58万9千円と冬として4年ぶりに前年を上回ったものの、暮らし向きは厳しい先行きを予想している人が多いことが、県内調査機関のアンケートで分かった。ボーナス額は賃上げ機運の高まりに加え、新型コロナ5類移行の効果が表れたとされるが、改善の兆しは一部にとどまる。暮らし向きは賃上げ継続の不透明感に物価高が重なり、担当者は「慎重な見方が続いている」と分析した。

 ひまわりベンチャー育成基金千葉経済センターは毎年夏と冬にボーナス予想額などのアンケートを実施。今回は10月2~6日、県内全域の千葉銀行営業店ロビーで来店客千人を対象に調査し、929人(92・9%)から回答を得た。

 今冬の予想額は昨冬に比べ1万1千円(1・9%)の増加。若い世代ほど上げ幅が大きく、年齢別では30歳未満が昨冬実績比12・8%増の50万1千円、続いて30代が同4・8%増の52万1千円になった。逆に50歳以上は同0・9%減の60万9千円。

 上げ幅は勤務地で差があり、県内勤務者の同1・7%増に対し、東京都内勤務者は同7・2%増と大幅に伸びた。都内の大企業でのボーナス回復が全体を押し上げた形になった。

 同センターは増加の要因を物価高や政府の賃上げ要請、5月のコロナ5類移行と分析。担当者は「コロナが下押し圧力になっていた。5類移行で世の中が平常運行に向かったことは大きい」と説明した。

 使い道は「貯蓄・投資」がトップで、特に独身女性で割合が高い。続いて「教育・教養費」「生活費の補てん」「買い物」の順。30代までは買い物、40~50代は教育や生活費に手厚く配分する傾向も続いた。

 暮らし向きの調査では、今後半年間の収入や支出について「減りそう」「減らす」が「増えそう」「増やす」を上回った。生活全般に関しては「変わらない」が66・0%、「悪くなりそう」が26・8%、「良くなりそう」が7・2%となり、悪化への懸念も浮かんだ。

 担当者は収入の回復の兆しが見えにくい状況にあり、支出を抑えようという慎重な姿勢があると分析し「ボーナス増でも楽観視しない傾向がみられる」と話した。


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