いすみ鉄道、通学定期46%値下げ 来春、高校生の利用促進で 沿線に大多喜高、大原高

いすみ鉄道(イメージ)
いすみ鉄道(イメージ)

 いすみ鉄道(大多喜町、古竹孝一社長)は15日、来年4月から通学定期運賃を平均46・6%引き下げると発表した。乗客の中心である高校生らのさらなる利用促進が目的で、運賃の値下げは初めてとなる。

 1カ月通学定期運賃を例にすると、最も利用者の多い大原―大多喜間が1万1810円から6750円に値下げ。国吉―大多喜間は7550円を3960円に、全線となる大原―上総中野間では1万5590円を7560円に改定する。子どもは半額。

 同鉄道によると、沿線には大多喜高校と大原高校があるが、通学定期利用者は第三セクター化された35年前の2割以下。通学定期運賃をJRと同水準にすることで利用者の回復を図りたい考えで、同鉄道は「地域の鉄道としてより多くの方に利用してもらいたい。一時的な赤字の増加が見込まれるが、観光客向けの企画を増やし、経費削減に努めたい」とする。

 沿線2校は少子化で生徒が減り定員割れ。大多喜高によると、生徒140人ほどが同鉄道を利用しているが、鉄道運賃が高いとして同校を敬遠する受験生もいるという。通学定期運賃の大幅値下げは、同鉄道に運行補助金を出す周辺自治体による地元高校支援の側面もある。

 また、9月の台風13号で不通となっている大多喜―上総中野間について、25日の運行再開を目指して準備を進めている。


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