丘陵地帯を利用し野馬を放牧 白牛酪を製造、日本酪農発祥の地 「嶺岡牧と安房の牛馬」清水信明著 【故郷の本たちへ河野良恒】(105)

 〈牧歌的〉とは人が家畜を放牧して平和に暮らした黄金時代を想起させるが、私にとって渡辺崋山が『四州真景図巻』に木下街道中の鎌ケ谷周辺を描いたスケッチ「釜原」は牧歌的風景そのものだ。さわやかに広がる夏の大空の下、はるかに続く野原の一本道を楽しげに歩く旅姿の親子と緑の平原に放たれ草をはむ野馬の群れを素描した ・・・

【残り 1360文字】



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