2023年9月25日 05:00 | 有料記事
柏木さんと、提供した資料類が掲載された「法隆寺史 中」=市川市
伊能忠敬像(千葉県香取市 伊能忠敬記念館所蔵)
日本で初めて実測による日本地図を作った香取市ゆかりの伊能忠敬(1745~1818年)が測量活動中に立ち寄った法隆寺(奈良県)で、秘宝「聖徳太子像」を特別に開帳されて拝見するなど、幕府高官並みの厚遇を受けていたことが分かった。民間団体「伊能忠敬研究会」の柏木隆雄副代表(86)=市川市=が千葉日報社の取材に応じ、7月末に刊行された「法隆寺史 中」(法隆寺編)に訪問時の概要が掲載されたと明かした。(市川支局・小北清人)
忠敬らの一行が四国・大和路を巡った第6次測量調査中の1808(文化5)年12月1日(旧暦)に、法隆寺へ立ち寄った記録はあったが、寺での接遇の様子が初めて明らかになった。
◆寺の日記に詳報
刊行された同書籍では、法隆寺の日記に相当する「年会日次記」に残された記録を詳報している。
午前10時ごろ、「『江戸天文方の役人』(測量隊)が伽藍(がらん)を参詣し宝物を拝見したいと寺に来る」との知らせが地元の庄屋を通じて届いた。
午後2時ごろに到着すると、忠敬らは舎利殿で「十八種」の宝物を、三経院で「七種」の秘蔵の宝物を一覧。聖皇院(聖霊院)では特別に開扉された本尊聖徳太子像を ・・・
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