<スカッシュ>鋸南が“聖地”に 千葉県内外から有力選手、大会も 【プレーに注目 28年ロス五輪新採用競技】

「サンセットブリーズ保田」のスカッシュコートで対戦する選手たち=鋸南町
「サンセットブリーズ保田」のスカッシュコートで対戦する選手たち=鋸南町
5年後のロサンゼルス五輪出場を目指し、練習に励む伊藤選手=鋸南町
5年後のロサンゼルス五輪出場を目指し、練習に励む伊藤選手=鋸南町

 英国で生まれたインドアラケットスポーツのスカッシュ。鋸南町には県内有数のスカッシュ練習施設があり、合宿や大会などで県内外から多くの選手が訪れる。五輪の追加競技に選ばれたことを受け、若手選手からは「5年後は五輪に出る」「盛り上げていきたい」と期待の声が上がった。

 スカッシュは四方を壁で囲まれたコート内で、空洞の小さいゴムボールを交互に打ち合うスポーツ。年齢や性別を問わず、コートさえあれば誰でも楽しめる点が魅力で、世界185の国や地域で約2000万人がプレーしているとされる。

 県内のスカッシュの“聖地”となりつつあるのが、同町の海沿いに立つ合宿施設「サンセットブリーズ保田」。旧千代田区保田臨海学園の施設をリニューアルして2007年にオープンしてから、スカッシュやフットサルの練習施設として県内外の学生らに親しまれてきた。特にスカッシュコートは3面と県内一の多さを誇り、過去に全日本学生スカッシュ選手権の団体戦会場にも使われている。

 10月下旬に同施設で開かれた日本スカッシュ協会県支部主催の第3回千葉オープンには、県内外から54人が同施設に集結。男子、女子、ジュニアなどの各部門で熱戦を繰り広げた。

 同大会選手権男子の部で優勝した伊藤幹太さん(18)=西東京市=は、今年3月の全日本ジュニア(U19)で準優勝し、本年度のJSA(同協会)強化指定候補にも選ばれている期待の若手の1人。中学生時代には練習でよく同施設を訪れていたといい、追加競技決定に「やっと選ばれたという気持ち。五輪に出場し、スカッシュの知名度を広げたい。みんなから『かっこいい』と思われる選手になりたい」と、5年後に向け意欲を燃やした。

 中学生の頃に選手として東京五輪聖火リレーのランナーに選ばれた翔凜高校2年の篠宮尊さん(17)=同町=も「(追加競技に)選ばれてうれしい。これまではスカッシュをやっていると言ったら『何それ』みたいな風に言われることが多かった。自分も競技を盛り上げていければ」と期待を込めた。

   ◇    ◇

 2028年ロサンゼルス五輪の追加競技に、野球・ソフトボール、フラッグフットボール、クリケット、ラクロス、スカッシュが採用されることになった。野球・ソフトボール以外は日本で“マイナー競技”。有力選手たちは五輪出場に意欲を燃やし、関係者は競技の普及や盛り上がりに期待を寄せる。


  • Xでポストする
  • LINEで送る