愛情あふれる父 森鷗外(12) 【房総の作家 中谷 順子】

 50歳を超えた森鷗外が、東海村の夷隅郡(現いすみ市)日在海岸の別荘「鷗荘」に、次女・杏奴(あんぬ)と三男・類(るい)、妻・志げを伴い、初めて訪れるのは大正2年頃の夏と思われる。杏奴は4歳、類は2歳の頃だろうか。

 日在は子供たちが海水浴をし ・・・

【残り 1052文字、写真 1 枚】



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