外川浦に残る大納屋阿姫の悲話 今も続く徳本講の供養 【黒潮ものがたり 紀伊・房総】(28)

供養塔
供養塔

 銚子・外川浦の西浜にはイワシ漁で「外川千軒」と言われるほど発展した港があり、外川港築港の崎山治郎右衛門年代記によると、イワシ漁にまつわる悲話が伝えられています。

 紀州日高郡湯浅村由良に生まれた阿姫(おさつ)は18~19歳の明和5(1768)年、湯浅村から銚子に来た佐兵衛を慕って、男でないと漁船に乗れないため、男装して徒歩で銚子の向かい側の波崎町にたどり着きました。幸い体格は良いし、力も男衆がかなわぬほどでした。

 ある晩、入浴姿を見られた阿姫は女性との噂が立ち、漁船に乗れなくなりました。そのうち、縁者の世話で外川浦の大納屋へ漁夫兼炊事婦(かしき)として入った阿姫は掃除洗濯、針仕事など一生懸命働きました。創業者から3代目の大納屋治郎右衛門の奥さんが病死し、後妻 ・・・

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