伝統守る老舗の旅館 人間の温かみで接客 松の家(勝浦市) 【伝統の企業 江戸から令和 千葉県誕生150年】

木造2階建て入り母屋造りで、風情あふれる松の家の外観=勝浦市
木造2階建て入り母屋造りで、風情あふれる松の家の外観=勝浦市
今では珍しい黒電話で対応する渡辺久恵さん
今では珍しい黒電話で対応する渡辺久恵さん

 「日々是(これ)好日なり」。のれんをくぐると、禅の言葉が書かれた短冊をぶら下げた風鈴がチリンチリンと響く。勝浦漁港にほど近い「松の家」は江戸時代の創業と伝わる和風旅館。老舗の心意気あふれるおもてなしで伝統を守っている。

 豊かな自然に囲まれ、古くから農業・漁業の町としてにぎわってきた勝浦。酷暑の中で観測史上一度も猛暑日を記録したことがない街として、注目を集めている。8代目女将(おかみ)の渡辺久恵さん(78)は「ゆったりとした涼しい避暑地」とほほ笑む。およそ半世紀にわたり、夫の幸男さん(79)と旅館を切り盛りしてきた。

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【残り 740文字】



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