八街で乗り合いタクシー実証運行スタート 高齢者ら想定、一定区域500円で移動OK 公共交通の空白地域改善へ

八街市予約型乗り合いタクシーの出発式でテープカットする北村市長(中央)ら=2日、市役所駐車場
八街市予約型乗り合いタクシーの出発式でテープカットする北村市長(中央)ら=2日、市役所駐車場
八街市の予約型乗り合いタクシーの運行エリア(同市提供)
八街市の予約型乗り合いタクシーの運行エリア(同市提供)

 八街市は2日、高齢者らの移動手段を確保する新事業として予約型乗り合いタクシーの実証実験運行を開始した。利用者の自宅から一定区域の市内を500円で移動できる。住宅地が点在する同市では公共交通機関の空白地域が“散在”する課題もあったが、市全域を網羅する手段で改善を図る。来年3月末までの半年間の事業費は約1678万円。2026年3月末まで運行し、効果を確かめる。

 同タクシーは、市内を横切るJR総武本線を境に北部・南部の両区域で運行。利用者は自宅のある区域の乗降場所か、両区域共通の乗降場所の市役所やJR各駅、医療・金融機関を行き先に指定できる。共通乗降場所以外で両区域を乗り継ぐ場合の料金は千円。台数は北部が1、南部2の計3台で、乗降場所は計348カ所用意した。

 市企画政策課によると、主に利用者として想定するのは高齢者ら交通弱者。市では65歳以上の免許返納者の外出支援でタクシー券を配ってきたが、事業費の膨張が想定されるとして、今回の乗り合いタクシーへの転換を図る方針を決めた。

 バブル期以降のまちづくりの苦い経験も導入の背景。同市は全域が都市計画法による区域区分がされていない「非線引き自治体」のため規制が緩く、各地でミニ開発が進んで住宅地が増加。道路整備が追い付かない中、交通空白地域の解消が求められていた。

 同日に市役所駐車場で出発式があり、北村新司市長は「自宅から生活に欠かせない場所に(直接)行くことができる。多くの市民に利用してほしい」とした。

 運行は平日のみで午前8時~午後5時。料金は一般500円、小中学生・障害者・介助者300円(現金のみ、未就学児は無料)。利用には事前登録が必要。詳細は市のHPか同課(電話)043(443)1114。


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