2023年12月23日 14:57 | 無料公開
開業100周年を迎える東武船橋駅で一日駅長を務めた松戸市長(中央)=23日、船橋市
船橋駅に到着した特別電車にカメラを向けるファンたち=23日、船橋市の東武船橋駅
東武鉄道は23日、東武野田線柏―船橋間の開通100周年を記念し、臨時列車を運行するツアーを開いた。集まったファン約100人は、60年前に導入され今なお現役で稼働する貴重な車両に乗り、初公開の車庫を見学するなど同線の歴史を満喫した。同じく開業100年を迎える東武船橋駅では記念式典が開かれ、船橋市の松戸徹市長が一日駅長を務めた。
柏―船橋間は1923年12月27日に、現在の北総鉄道とは別会社の「北総鉄道」として開業。1944年に東武鉄道と合併し、現在は埼玉県の大宮駅までを結ぶ「東武アーバンパークライン」の愛称で親しまれている。
運行した臨時列車の車両には、60年前に導入され一時は博物館で保存していた「8111F」を活用。白地に青ラインの現行車両と異なり、丸いライトが付いたオレンジのレトロな外観で人気が高く、多くのファンが夢中で撮影した。
ツアーは船橋駅発着の約1時間。逆井―高柳間の車庫で停車し、初めて一般公開された車庫の様子を車内から見学した。廃車になった車両の部品を購入できる抽選会も開かれた。
埼玉県から駆けつけた男性会社員(27)は「記憶に残るツアーだった。1世紀の間、千葉県民の足になってきたと思うので、これからも発展を」と期待した。
記念式典で、同社鉄道本部の眞島朗副本部長は「元々は野田で製造されたしょうゆを運ぶ路線だった。多くの支えで100周年を迎えられた」とあいさつ。松戸市長は「開業当時は『船橋町』だった。船橋の発展を支えていただいた100年」と感謝した。
東武百貨店船橋店屋上では関連イベントも開かれ、開業当時の写真展や、子ども向けの駅長制服体験など家族連れらでにぎわった。