2022年9月1日 11:00 | 有料記事
台風による暴風で破壊された木村さん宅の小屋=2020年2月23日、鋸南町横根
2019年9月に千葉県を襲った房総半島台風(台風15号)。特に東京湾に面した鋸南町では、屋根や窓ガラスなどが吹き飛ばされる甚大な被害が出た。台風から半年が経過した今でも、多くの家屋にはブルーシートが残り、復興への道のりは果てしなく長い。再建を諦めて町外への転居が相次ぐ中、町に残るのか、離れるのか、町民の心は揺れ動く。未曽有の大災害を経てどう生き抜こうとしているのか、葛藤しながらも前を向く人々に迫った。(館山・鴨川支局 飽本瑛大)
※この連載は房総半島台風(台風15号)から半年の2020年3月、千葉日報本紙とYahoo!ニュースで公開したものを再掲載しました。肩書きや年齢、データなどは掲載当時のものです。
◆土砂と倒木で孤立
台風による暴風で破壊された木村さん宅の小屋=2020年2月23日、鋸南町横根
町内全域で被害が広がった昨年9月9日の房総半島台風。山間部の横根地区に家族4人で暮らす木村優美子さん(44)は、聞いたことのない異常な風に恐怖感を覚えた。「ゴオーとうなるよう ・・・
【残り 4815文字、写真 8 枚】