幽学考案、海匝で継承 滑らか食感、雑煮や鍋にも 性学もち 【房総の郷土料理 千葉県誕生150年】(5)

大原幽学が考案したと伝わる性学もち=旭市
大原幽学が考案したと伝わる性学もち=旭市
2度蒸した米を餅つき機に入れる大极さん
2度蒸した米を餅つき機に入れる大极さん

 香取、海匝地域に伝わる「性学(せいがく)もち」は、江戸時代末期の農村指導者、大原幽学が考案したとされる。当時餅米は高価で入手が難しく、農民にも餅のようなものを食べさせたいと、うるち米を使い作り始めたという。

 幽学は混乱した世相の中で道徳と経済の調和を基本とした性学を説き、現在の旭市長部地区を拠点に農村改革に取り組んだことで知られる。性学もちは「皆で助け合い豊かに暮らそう」という幽学の教えにちなみ名付けられた。

 旭市内で農産物直売所「オオナギファーム」を経営する大极晋一さん(48)は、自社工場で性学もちを製造している。自家製の米を蒸して水で洗い、もう一度蒸し上げた後に餅つき機でついて性学もちが完成する。 ・・・

【残り 608文字】



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