2023年10月5日 05:00 | 無料公開
現役時代の阿部コーチがサヨナラホームランを打った際の写真を手にする宮崎さん。阿部コーチが店でサインした=4日、浦安市
浦安市出身でプロ野球巨人の阿部慎之助1軍ヘッド兼バッテリーコーチ(44)の監督昇格が4日、確実になった。浦安の野球少年が球界を代表するスラッガーとして活躍し、来季からは伝統の巨人で指揮を執る。地元からは「市民の誇り。悔いのないよう思い切って頑張れ」と励ましの声が上がった。
「慎ちゃん、すげえな」と喜んだのは、阿部コーチが子どもの頃から頻繁に訪れていた同市のそば店「太月」店主、宮崎寿仁さん(60)。「近所でキャッチボールをしていたあの小さな子が巨人の監督に。浦安市民としても誇らしい」と話した。
阿部コーチはカツ丼が大好きで、家族ぐるみの付き合い。巨人ファンになったのも「慎ちゃん」の入団後。「厳しくても実は人情が厚い浦安らしい監督になってほしい。悔いのないよう頑張って」とエールを送った。
阿部コーチの現役引退後の2020年に市は第1号の市民栄誉賞を授与。22年には現役時代のユニホームなどを展示する「慎之助ブース」が同市総合体育館にオープンした。3月には市の「PR大使」に就任し、浦安の顔的な存在になった。
阿部コーチが小学生時代、少年野球チームの監督として指導した山崎常雄さん(79)は「原(辰徳)監督の退任で就任が1年早まった感じ。優勝を狙えるメンバーを早くそろえ、勝つのに必要なことを尽くしてほしい」と期待する。
グラウンドではいつもニコニコしていて、当時からスイングが素晴らしく、肩の強さが目立ったという。大学ですぐ日本代表となり、巨人入団後から活躍する姿に「野球への強い運」を山崎さんは感じる。「監督になっても、その運が逃げないように」と願っている。