2014年1月18日 10:03 | 無料公開
知的障害がある児童らが入所する袖ケ浦市蔵波の県立福祉施設「養育園」で昨年11月、入所者男性(19)が職員から暴行を受けてその後死亡した事件で、県の第三者検証委員会の初会合が17日、県庁であった。県はこれまでの検査結果から行動障害を抱えた児童や成人に対して虐待が相次いだとの認識を明らかにして、委員会に対して行動障害の支援方法に着目して虐待の詳しい原因などを調査するように要望した。
委員会は障害者の権利擁護に詳しい弁護士や福祉事業者や障害者の保護者ら6人で構成。会合の冒頭、川島貞夫県健康福祉部長は「亡くなった男性や家族に苦痛や悲しみを与えた。施設利用者や県民の信頼も損ない、おわびする。利用者の安全確保と支援の改善、障害福祉の信頼回復のため、一日も早く検証を進めてほしい」と述べた。担当者が判明している虐待の状況などを報告した。
委員会は県が示した検証の項目案を了承。関係職員からヒアリングや施設の視察などを実施して、職員の育成や施設の管理体制などを調査して虐待につながった問題点をあぶり出す。さらに、施設を運営する社会福祉法人「千葉県社会福祉事業団」の業務体制や指定管理での運営体制なども協議する。
委員会の佐藤彰一座長(弁護士)は会合後に記者会見し、「責任を感じている。今後の障害者福祉のために全力を尽くす」と語った。佐藤座長によると、委員から男性が死亡したさらに詳しい経緯の検証を求める意見が出たほか、利用者家族や地域関係者らへの聞き取り調査を求める意見もあり、今後、検討していくという。