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保険医守り地域医療に寄与 千葉県保険医協会 会長 岡野久氏 【千葉のトップが語る2026】

岡野久氏

 当会は、保険医の生活と権利を守り、国民医療の向上と社会保障制度の拡充をはかることを目的に1972年に結成されました。医科歯科一体の団体という特性から、県民の皆さまの口腔(こうくう)から全身にわたる健康増進に寄与できるよう医科歯科連携活動に取り組んできました。会員の9割が開業医という特性も生かし、公民館などでの健康教室や、お祭りでの健康相談活動など、地域活動も大切にしています。県民の皆さまが安心して医療を受けられる体制を整えるため、会員医療機関からの要望にしっかり耳を傾け、課題解決に取り組んでいます。

 2024年の診療報酬改定では、人件費に充当することが明記された項目に改定財源の多くが割かれました。諸経費の高騰は診療報酬では吸収できないレベルとなっており、25年11月に公表された医療経済実態調査では、病院だけでなく診療所も損益差額が急速に悪化しています。地域医療を守るためには感染対策や物価高騰にしっかり対応できるだけの診療報酬が必要です。併せて患者さんの自己負担の軽減も取り組んでいかなければならないと認識しています。

 政府は、高額療養費の上限額引き上げやOTC類似薬の保険外しなど、保険給付を縮小する方向で検討を進めてきました。日本は厚労省のうたう「世界に冠たる国民皆保険制度」である以上、「誰一人取りこぼさない」制度でなくてはなりません。分断ではなく「皆で支えあう」ことにより、より良き健康保険制度へ発展させていくことが重要と考えています。

 当会はこれまで健康保険証の廃止、マイナ保険証への一本化に強く反対し、保険証との併用を訴えてきました。急激な医療DXの押し付けは、地域医療を崩壊させることにもつながりかねません。ランサムウエアといったハッカー攻撃や個人情報の漏えいも大きな課題です。セキュリティを万全に整備し、利便性が勝れば自然と広がると考えます。電子化に対応困難な医療機関を強権的に阻むようなやり方では、保険診療が継続できず、無医・無歯科医地区が発生することを、政府に強く訴えていきたいと思います。

 また、子ども医療費助成制度の充実も少子化社会にあっては重要だと思います。住んでいる自治体によって医療を受けた時の負担に差があることは本来あってはならないことです。国による制度創設を千葉県から要望することと併せて、近隣県と比較して低い千葉県基準も引き上げを望んでいます。県として「地域医療体制を守る」という姿勢で、各方面への支援を望みます。

◇住所 千葉市中央区新千葉2―7―2 大宗センタービル4階
◇☎ 043-248―1617
◇事業概要 保険医の診療・経営全般をサポート

千葉県保険医協会