2014年4月18日 15:37 | 無料公開
東日本大震災で君津市に避難した被災者の支援に取り組んだとして、同市のボランティア団体「東日本大震災・避難者支援ボランティアネットワークきみつ」に厚生労働大臣感謝状が授与された。震災から3年がたち、同団体は現在も避難者の心のケアに重点を置いた活動を続けており、メンバーは「自立して生活できる状態を作っていきたい」と抱負を語った。
市内では震災後、福島県などから避難してきた被災者に、市職員住宅や教職員住宅が提供された。同団体は、市と市社会福祉協議会との間で支援協定を結び、職員住宅に設置された「避難者支援センター」を拠点に活動してきた。
震災直後は、洋服などの物資を配給し、避難者と行政とのパイプ役を務めたほか、食事会や散策ツアーなどのイベントを開催してきた。
現在では、避難者の多くが職員住宅近くのアパートなどに住んでおり、同団体は、ケーキ教室や編み物教室といったカルチャースクールを企画し、避難者同士が集まれる交流の場を設けている。
震災から3年が経過し、避難者の心のケアが必要になっているといい、幹事の斉藤早苗さん(57)は「帰りたいけど帰れず、家族の中でも今後どうするか意見が違うというジレンマもある。震災の心のケアは難しい」と現状を説明。「避難者の方も一生懸命、前を向こうとしている。少しでも安らぎの場になれば」と話す。
代表の平尾一晴さん(55)は「クラブ活動で少しでも交流して、いろいろなことを話せる状態を作っていきたい」と展望した。
市によると、市内には現在、民間アパートや親類の家などで暮らす避難者が約100人いるという。