新型コロナ禍の逆風の中でデビュー-。1度目の緊急事態宣言解除から間もない2020年6月3日、成田空港からタイ・バンコクへ1機の貨物便が飛び立った。国際線専用の格安航空会社(LCC)「ジップエア トーキョー」(成田市)の第1便だ。旅客便の就航は各国の厳しい水際措置の影響で4カ月半後となり、搭乗客もわずか2人。試練のスタートだったが、水際緩和の進行に伴い、LCC初の北米進出やSDGsに配慮したサービスなど、新しさと柔軟さが若年層を中心に評価され、満席予約の路線を増やすなど出遅れを取り戻した。
◆コロナ前勝算のみ
同社は、若年層の旅行需要の高まりやインバウンドの成長を背景に、18年7月に産声を上げた。短距離国際線が主流だったLCCとして、ホノルル線や初の北米路線就航を計画したことで注目が集まった。
搭乗券の安さに加え、エネルギー価格高騰の時代に燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)を設定しなかった。機内食は事前注文で食品ロス対策も強化。旅客それぞれが必要とするサービスのみを提供する接客スタイルを採り、西田真吾社長は「合理的な旅」と解説。「コロナ前は顧客に支持される勝算しかなかった」と振り返る。...
◆乗務員同士で練習
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