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甘えや“わがまま”は大切な信号 「いい子」のストレスサインと大人の関わり方 【保育園キートス・かい園長の子育て相談室】(14)

2025/9/3 8:00 (4/15 14:09更新)
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 今回は「頑張る子ほど見えづらい?『いい子』のストレスサイン」というテーマでお届けします。

 「うちの子、園では“とてもいい子”って言われるんですけど、家ではわがままばかりで…」「下の子に手がかかってばかりで、上の子はなんでも我慢してくれるんですけど、心の中は大丈夫なのかなって心配になる時があります」

 これは、保護者の方からよく耳にするお悩みのひとつです。園でも先生の話をよく聞き、お友達とも大きなトラブルを起こさない。そんな「手のかからない子」に見えるお子さんたちですが、実はその裏側には、目に見えづらい頑張りや我慢が積み重なっていることがあるのです。

◆「いい子」の奥に隠れる本音

 いい子という言葉は、どこか安心感がありますが、でも時にそれは「大人の期待に応えようと無理をしている姿」であることもあります。

 例えば…

・お友達におもちゃを譲ってばかりいる
・ケンカになりそうな場面で何も言わずに離れていく
・自ら先生のお手伝いを率先してやろうとする
・「大丈夫」と言って本当の気持ちを隠してしまう

 このような様子の奥には、「イヤって言ったら嫌われるかもしれない」「怒られたくない」「がっかりさせたくない」という思いが潜んでいることもあります。大人としては「やさしい子だな」「空気が読める子だな」と感じてしまいますが、子ども自身が『いい子でいなければならない』と自分を縛っている場合もあります。

◆家での“わがまま”は安心の証

 以前相談室でも書かせて頂きましたが「園では全然手がかからないのに、家ではすごくわがままで困ってしまいます…」という声も園ではよくお話を聞きます。

 でもこれは、とても健全な姿です。子どもにとって家庭は、本音を出せる場所です。保護者に対しては、甘えやワガママをぶつけることができる。それは、「一番安心できる存在」と感じているからこそ出来る行動です。もし園でも家庭でも常にいい子でい続け、全く感情を出さないような様子があったとしたら、気にかけた方が良いかもしれません。

・おなかが痛い、頭が痛いと言いながら検査では異常がない
・食欲が落ちる、夜泣きが増える、無表情になる
・失敗を極端に怖がったり、人の顔色ばかり気にするようになる

 こうした「身体のサイン」や「ちょっとした変化」に気づけるかどうかが、大人の大切な役割になります。

◆子どもの頑張りを緩める関わり方

 頑張ることは、決して悪いことではありません。でも「常に期待に応えよう」として無理をし続けると、子どもにとっても大きな負担になります。そんな時、大人にできるのは「心の安全基地」でいることです。
 
 例えば…

・「今日は疲れてない?無理してない?」と聞く
・「イヤって言っていいんだよ」と伝える
・「頑張ってるの、ちゃんと見てるよ。でも頑張らなくても大丈夫だよ」と寄り添う
・「失敗してもいいんだよ」「甘えてくれて嬉しいよ」と肯定する

 子どもが安心して「イヤ」と言えたり、「困った」と言えたりする関係性が、結果として子どもの自信につながります。

◆甘えは子どもからの大切な信号

 「急に赤ちゃん返りしてきて…」「抱っこばかりせがまれて困るんです」そんな声もよくあります。でも、それは子どもが心のバランスをとろうとしているサインでもあります。新しい環境に頑張って適応している時、不安な出来事があった時、下のきょうだいに注目が集まっている時、そんな時に、子どもたちは「自分も見てほしい」「安心したい」と、甘えという形で表現することがあります。

 それを「手がかかる」「困った行動」として叱るよりも、「助けを求めているんだね」と見てあげることで、子どもは安心して前に進めるようになります。

◆保護者自身も頑張りすぎないでください

 頑張る子は、頑張る保護者の姿を真似ていることも少なくありません。「ちゃんと育てなきゃ」「いい親でいなきゃ」と、日々奮闘されていることも多いと思います。ですが、保護者の方だって人間です。疲れる日も、余裕のない日もあって当たり前です。

 もし「今日はダメだったな…」と感じる日があっても、自分を責めすぎないでください。保護者が力を抜く瞬間を持つことで、子どもも「頑張らなくても愛される」ことを自然と学んでいきます。

◆見えない頑張りに、出来るだけ気づける大人に

 頑張る子どもたちは、表には出さずに心の中でたくさんのことを感じています。「いい子だね」の奥にある、本当の気持ちに気づいてあげられること。それが、私たち大人にできる一番のサポートではないかと思います。そして何より大切なのは、「頑張っても頑張らなくても、あなたは大切な存在だよ」と伝え続けることです。

 子どもたちがのびのびと、自分らしい笑顔で過ごせる日々でありますように。これからも、子育ての中で感じる不安や迷いに、少しでも寄り添えるお話をお届けしていきたいと思います。

 ◆   ◆   ◆

 千葉市、成田市で10園の保育園を運営している【荷物のいらない保育園】キートスチャイルドケア・キートスベビーケアで園長をしている「かい園長」が子育ての悩みに答えます。(原則、毎月第1水曜更新)

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